Q1: 2話までアフレコが済んだ時点で、演じられるキャラに対してどんな印象を持たれましたか?
石井: 一騎は身長:167cm、体重:57kg、ボクと同じです
(笑)設定を見た瞬間、できそうだな…と思ったんですけど、画がカッコイイんで…何で僕、こんなカッコイイ役を演らせて貰えるんだろうと(笑)。本質的に優しい少年で、人を傷つけてしまいたくないから他人に対して壁を作ってしまう。キライな場所が公園なのも、あんまり人と接したくないっていうことだと思うんですね。僕も人に対して壁を作ってしまう、何を考えてるかわからないなんて言われるんですけど、一騎と違う所は、僕は公園が大好きです。壁を作る割には寂しがりやなんですね。そんな訳で、今は段々と一騎に馴染んでいければな…と、探っている最中です。
喜安: 安易な表現なんですけど、とってもクールな少年なので、感情の起伏とかは敢えて抑えていかなきゃならない所がありまして。でも、胸の中ではすごく色んな事を考えてて、熱くなったり苦しんだりしてるんでしょうけど……内面の部分がとても魅力的だと思って。表面的には人間味に乏しい感じの男なんですけど、すごく人間くさいんだろうな、と思う

左より真壁一騎役:石井真、遠見真矢役:松本まりか、
皆城総士役:喜安浩平
  んです。その点で…いかにも汗の似合わなそうな、髪の長い美少年なんですけど(笑)…人間くささの点でアプローチしていけそうな気がします。僕自身も何か探しながら、僕自身の葛藤と、彼の葛藤と、ダブってくるといいかも知れないと思ってます。
松本: 真矢ちゃんの画を最初に見たとき、すごくカワイイな、と思って、自分自身の声をこの画に乗せていっていいのかな?と迷いもあったんです。色んな声を演じられるわけではないですけど…まだ映像を観ていないので、自分の声が真矢ちゃんに合っているか、まだわかってないんです(笑)。
Q2: 本格SFということで、多くの専門用語や独特の言い回しが登場しますが?
石井: うーん……そうですね、難しい言葉は苦手なので…物語の中に出てくる大人たちはしっかり頭の中に入っている言葉なのでスラっと出てきて当たり前なんですけど、僕(一騎)らは突然巻き込まれる側なので、ちょっと曖昧でも許して下さい(笑)。なので、設定的にはそんな気もしてるんですけど、ちゃんと言えなきゃいけないので、「この用語、前に出てきたな…何だっけ?」と台本を読み返したり。3話まで台本頂いたんですけど、未だに1話の台本をしまえないんですよ(笑)。一騎と一緒に専門用語を覚えていきます。でも、この3人の中では一番専門用語を発するのは喜安さんだと思うので、そちらは喜安さんに任せます(笑)。
喜安: 1話のアフレコでホントにヤバいと思ったんですよ!あんなにテンパったのは久しぶりっていうくらい、セリフが言えなくてですね、「シナジェティックコード」とか。でも、そのままでは済ませられないので、「いっぱい僕の所にそういうセリフ廻して下さい!」と1話が終わった後に言っちゃったので(笑)。殆ど逆ギレに近いんですけど…これからもいっぱい言います!でも、今は(自分は)何の意味か解らないまま、(総士は)知っている風に専門用語として言っている言葉もありまして。演じる僕らもその意味を理解していけば、これから色々なニュアンスが出せるようになっていくんじゃないかな…と思っています。
松本: 正直、難しい言葉はまだよく理解してないんです。1〜2話の真矢ちゃんは日常会話が中心で、まだ戦いには入っていないので大丈夫なんですけど(笑)。今は理解していなくても、頑張って理解して、自分が言うようになっても大丈夫なようにしておきます。
Q3: 『ファフナー』の物語世界・ストーリーに対する印象は?
石井: そうですね…謎が多すぎて、まだ何が起こるかわからないんで…自分が投入される世界をよく理解してない状況で、アタフタしてますね。ロボットが出てきて自分がそれに乗っちゃうなんて、ここまで非現実的な世界って初めてなので、日常と違うっていう意味では楽しめてますね。とにかく、そういう非日常の世界ですが、人間関係っていうのは日常的なものだと思うので、総士や父親との関係とか…そういう所を大切にしていきたいな、と思ってますね。
喜安: 物語全体について多少は明かされているものの、実際に台本を渡されていく度に驚くようなこともあるでしょうから、(ストーリーがこれから)どうなるかはわからないですけど。1話は人物紹介的な面が多いんですけど、2、3話までの台本
  の中では誰が誰を想ってとか…登場人物の関係が描かれ始めているので、そういう人間関係の中に入っていけるのを楽しみにしてます。SFという大きな枠組みはあるんですけど、出てくるのが人間である以上、人間同士の関係性で色々なドラマが産まれるのではないかと、そういう面白さが既に漂い始めていて、またこれからもっといっぱい出てくるのではないか…と楽しみにしています。
松本: まだ冒頭部分しか知らないので、想像が付かないっていうか…自分の役どころで言うと、真矢ちゃんの3話までの気持ちしかわからないので、最後にはどうなるか、真矢ちゃんと一緒に知って、成長していけたらいいな、と思っています。物語的にも、自分の気持ち的にも、「どうなるんだろう?」というワクワク感がありますね。
Q4: 各々、演じられるキャラの特徴やクセは掴みましたか?
石井: 今のところ、あまりセリフがないんですよ。「ハッ?」とか「アッ!!」とか、リアクションが多くて、むしろセリフがあった方が楽かな…と思うくらいですね。今後は結構喋れるようになってくるのかも知れないですけど、まだ一騎を完全に理解してない、まだクセは見つけられていないのかな、という感じですね。
喜安: まだ話数が進んでいない段階ですけど、総士は色んな事知っているんですよね。でも、一騎は知らないから、一騎に色々訊かれたり問いかけられたりするんです。で、ファフナーの出撃とか盛り上がりどころになるとですね、一騎のすごい近い所で、すごくカッコよさげな事を呟くんですよ(笑)。毎回のように。台本読んでても思うんですけど、「そんなに同
  性の前でカッコいいこと囁かなくても」と思うくらいですねぇ(笑)。
石井: 距離、近いですよね〜。
喜安: すごい近い!
松本: なぜかこの2人(石井&喜安)だけ全然違う世界なんですよ。あっちはあっちで進んでいて、こっちはこっちでほのぼのしていて。という感じで。でも、真矢ちゃんにも恋をして欲しいなぁ…と思ってるんですよね。そしたら総士が怒っちゃう?
喜安: どうなんでしょう??
松本: 「一騎を取るな!」って言ったり(笑)。
喜安: あ〜、そういうことか〜(笑)!
Q5: TV東京での放送初回は、1・2話一挙放映のスペシャルになりますが、これから観る皆さんに見どころを教えて下さい
石井: 1話から2話を通して、一騎がファフナーに初めて乗り、戦っていくという決意を固めるまでを描いているんですけど、その決意までの葛藤などよりむしろ、僕として観て欲しいのは総士との関係とか…イヤ、変な意味じゃなくて(笑)…父親との関係ですね。1話ではホントにいつも通りの親子関係なんですよ。だけど、父親は(世界の)現状を知っていて、戦いに巻き込まれていくことによって一騎もそれを知って、その上で父親と接していくという親子関係。1〜2話では、それが一番好きな場面なので、ソコを観て頂けたらなと。
喜安: この物語はたくさんの少年少女が登場して、彼らを通して描
  かれていくものだと思うんですけど、総士はその中でも1話の段階から色々知っていて、知っているからこその苦悩やとまどいを…一騎をファフナーのパイロットにする時とか…持っていると思うんですよ。総士は早速、2話でお父さんが死んじゃうという、悲しいことがあるんですけど、表面的には(総士の態度は)何も変わらないんですよ。彼の父親が死んだ後が、何も劇的に描かれないということが、この作品そのもののスタンスも、総士のスタンスも表しているような気がして。ホントは色んな事思ってるんですけど、「変わらない」という所にそれを込めて行ければな…と思っています。きっと総士は、強いんだけど哀しい人にもっとなっていくんでしょうし。そういう所も追って頂ければと思います。でも、1・2話を観ておかないと登場人物も何もわからなくなってしまいますので、ぜひぜひお見逃しなく!
松本: そうですね…(自分にとっても)まだ作品全体は未知なので、1話を観た段階では「何だ、コレは?」と感じるかも知れないけど、「この後すごく色んな事が起こって、面白くなりそうだ」と思える作品です。1話を見逃すとストーリーがよくわからなくなりそうなので、観て欲しいんですけど、真矢ちゃん的には、素直な感じの所をぜひ注目して欲しいですね。
Q6: 最後に、皆さんの『ファフナー』に対する決意とアピールの程をお願いします
松本: 声のお仕事はまだ2回目で、アニメのお仕事は初めてなんですけど、真矢ちゃんという子を好きになってくれたら嬉しいな、と思います。頑張ります!
喜安: これからもっとアフレコ現場も充実していくと思いますし、色んな事が見えてくるにつれて我々の芝居もどんどんよくなってくると思うんですね。今はホントに手探りですけど。でもそれがいい感じに、手探りから始まる我々(=声優さん達)の成長みたいなものが、キャラの成長・旅の軌跡みたいな(笑)そういう感じになればいいな、と思っています。アフレコはまだ3話なんですけど、1話を見逃すとホントにわかんなくなっちゃうと思います!なるだけ毎回観てね♪と、お願いします。
石井: 番組が主に日曜日の深夜の放送ということで、翌日が月曜日ですから、スグに寝られる方も多いと思うんですよ。番組を観ている時は色々考えて頂けると思うんですけど、翌朝になっても何となくそれがモヤモヤっと残っていてくれたら成功かな〜、と(笑)。そのくらい心に残るものにしていけたらな、と思っています。
  期待してます、ありがとうございました!